岩手県盛岡市を拠点にフリライターをしております、「とっかり」の山口由(ゆう)と申します。
文章を通して人や企業、街の魅力を伝えるお仕事をしています。
とっかりとは、アイヌ語でアザラシの意味。友人に教わった言葉で、響きが気に入って屋号にしました。それまでアザラシに特別な思いは抱いていませんでしたが、今では水族館でアザラシが泳ぐ姿を見ては「アザラシさん。自分、とっかりです」と、心の中でご挨拶するようになりました。
非常に突然ですが、なにかを「知る」ことは、人生の中に「好き」が増える可能性を秘めていると思っています。
例えば、お米をたくさん作っている街。まるで昔から稲作が盛んなように見えるけれど、実は水不足に悩まされていた先人たちが、自力で水路や堰を作り上げてできた場所。秋になると一面に広がる稲穂の海が、奇跡の風景だったと知ったとき。
例えば、「良いものだけど高いからね」といわれがちな漆器の器。器なんてどれも同じ、なんて思うけれど、完成するまでに必要な漆(うるし)が、一滴ずつ人の手で集められたものだと知ったとき。
どちらも今の仕事に就いてから知った、岩手のことです。知れば知るほど、岩手が好きになる。だからこそ、少しでも多くの人に伝えていきたい。
伝えることで、少しでも多くの「好き」につながりますように。
そんな思いで、お仕事をしています。