岩手↔別府 3600キロの車旅 その伍

【これまでの記録】

旅立ち

その壱

その弐

その参

その肆


怒涛のような別府のツアー。最終日にはAiさんにアートを描いてもらい、ついでにAiさんがデザインしたノートの発送作業を手伝い。「明日とかさ、発送作業のバイトしない?」なんて超魅力的な提案に心揺れ、悩むことしばし。「やっぱ出雲に行きます」と告げ、Aiさんと「再会が楽しみだ」とガッチリ握手してきました。

そうなんです。帰りの工程では出雲大社に立ち寄ることをメインイベントとしていたんです。これまでの道中で車中泊には懲りていたため、出雲市内のビジネスホテルを確保しておりました。

それでもAiさんのアトリエでモノを運んだりノートの袋詰をしたりする作業が楽しくて、ついつい長居。結局、別府を出発したのは16時頃でした。当初、14時頃にアトリエを出れば20時には到着するかな、と思っていました。それが2時間ズレこんだので、まぁ22時にはホテルに到着するだろうと、そんな風に考えていたのです。

ところが。

この別府→出雲間が10日間の旅の中で最も恐怖し、過酷な道のりとなったのです…。


あ、ちなみに今回は結構、不可思議な(ぶっ飛んだ)内容です。お化けは出てきませんが、人ならざるものは出てきます(え。)まぁ、あくまでも個人の感想ということでお読みいただければ幸いです(笑)


出雲までの道のりに入る前に、ちょっと時間を巻き戻します。

さかのぼること、その参の記事。ちょうど徳島県に入った頃のことです。ようやく四国に入ったぁ~、なんて思って運転していたら突然、自分のナナメ右後ろに

「おっさん来よったな」

という感覚があったんですね。(ほーら、不可思議)でも別にイヤな感じや怖さは全くありません。なので確か、普通に車内で呟いたと思います。「おっさん、おるな」って(笑)

で、その後すぐに『オオクニヌシノミコト』って言葉が浮かんだんですね。(自分でも書いててアヤシイ!アヤシイぞ!!)

もともと日本の古代は好きでしたが、詳しくはないので「オオクニヌシさんっておったな。何した人だっけ?」と思っていたら、今度は『国造り』って言葉が浮かびました。

なので「あー、オオクニヌシさんは国造りをした人なんかぁ」って思って普通に運転して、高知に一泊したり藍染をしたりしていたわけです。(どんな受け入れっぷりだ)


その後、帰りの工程に入れていた出雲大社の祭神が大国主神だと知り(今まで知らんかったのです)「まじか」と思いました。全然わかっていなかったのに、帰りの工程に組み込んでいた出雲大社の祭神の名前が、運転していたら突然出てくるって一体…

……あ、考えんどこ( ゚д゚ )

(思考回路キャパオーバー)


そんなこんなを経て冒頭の通り、いよいよ別府から出雲に向けて出発したわけです。

途中、予約したビジネスホテルから「到着は何時頃になりますか~?」とお電話をいただき「すみません、ちょっと遅れてまして…22時頃になるかと思います」とお伝えしました。(ちなみに運転中の通話ではありませんよ!念の為。笑)

それからほどなくして道路整備による通行止めに出くわしてしまい、下道におりたんです。場所は確か、広島県だったような気がします。(すでに定かではない)

交通整理のおじさんに「セブンイレブンを右に曲がって、ガソリンスタンドを右に曲がったら国道○○号線に出るから。そうしたら高速に乗れるから、そっちに回って」と言われ、若干、迷いながらも再び高速に乗りました。

よーし、これでズバッと出雲に行くぞ~なんて思っていた矢先、ナビが言いました。

「高速道路、出口です」

…え…?

だって、乗ったばっかじゃん?それなのにもう降りるの?まだ島根じゃないじゃん?え、島根って高速ないの?(そんなわけない)でもナビないと行けないしなぁ。(地図がアタマに入ってない)とりあえずナビの通りに行くか。

と、高速をおりてみると…目的地までの距離数が増え、22時過ぎを示していた到着予定時刻が25時に変わりました。

ちょ…変わりすぎじゃね?つーか、ほんとに高速おりなきゃダメか!?

まだ先まで行けるんと違うかぁぁぁ!?


そんな叫びも虚しく、車はどんどん山道へと突入していきます。街灯なんてない、本当に真っ暗な山道。ハイビームにしてやっと見えるくらいの暗さです。(ここまで暗いと、もはや黒。「明暗」の「明」がないのです)

途中、何度か集落が現れて、街灯の明るさにほっとするのも束の間。またすぐに山道へと突入していきます。

おかしい…絶対おかしい…ほかに道があるはず…。と思うものの、途中で車を停める勇気もありません。だって真っ暗なんだもの!!(泣)

山道と集落を繰り返すことしばし。ようやく道路の看板に「奥出雲」の文字が現れました。

…奥出雲?

出雲の、奥。コアな出雲。毎年、神様が一堂に会する出雲のよりディープな場所…。

こ、こ、怖ぇぇぇぇぇぇ!!!

もはや人の領域じゃないじゃん!!

ここまで来ると笑うに笑えません。もー、とにかく無事にホテルに到着しますようにと、それだけを思いながら運転していました。

でも不思議と「なんかこの土地を通らなきゃいけないような気がする」という感じもしました。だからこそちょろっと怒りも出てきて

「通らなきゃいけないなら仕方ない。仕方ないが、この時間はどうだい。こんな遅い時間に通らせなくてもいいんじゃないかい?頼むから今日中にホテルに着かせてちょうだいよ。ゆっくり寝たいんだよ、ボクはぁぁぁ!!」

もうね、運転ハイですわ(笑)


その後も幾度となく山道を繰り返し、ようやく予約していたホテルに無事に到着。

もー、今何時やねん。と思って時計を見たら

23時54分

ギリギリやんけーーー!!確かに今日中って言ったけれども!!!

と、そんな人ならざるものにコントのようなツッコミをしつつ、ようやく「帰宅途中」1日目が終了しました。

(しまった、全然最終回じゃなかった)


ちなみに後日調べたところによると、奥出雲はれっきとした観光地。その昔、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治した場所なのだそうです。そのスサノオノミコトさんの6世の孫にあたるのが、オオクニヌシさんというわけで…。なんだかよくわかりませんが、とりあえず近年稀に見る不可思議な体験でした。

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